はじめに
クイックは相手のブロッカーの的を絞らせないことや、サーブカットからのクイックで得点を稼いだりと、とても大切な攻撃パターンですよね。
「Aクイックをどの辺にあげていいのかわらない。ネットからどのくらい出せば良いのかわからない。スパイカーとのタイミンがあわない。ボールのちから加減がわからない」など、クイックは攻撃のテンポが早いのであわせるのが難しいですが、どうやったらできるようになるか、原因と改善方法を説明しますね。
- 手首の使い方が悪い
- スパイカーに合わそうとする引きつけの間のとり方や、トスの速さを考慮していない
- トスの精度が悪い
クイックを打つ選手のタイミングやトスの高さをある程度覚えてできるようになると、タイミングが毎回あわないなんて事はなくなると思います。
1つずつ解説していきます。
手首の使い方が悪い。
クイックトスは、手首のスナップと膝のバネだけでボールを放り出すようなつもりでトスしますが、特に手首のスナップの調整ができないと、タイミングを合わせれません。
遠くに飛ばすボールではないので、手首などの調整でボールをコントールするようにします。
(原因1)に改善方法
ボールを十分に引きつけて、手首のスナップを効かせるようにする。
ボールは出来るだけ身体に引きつけ手首のスナップを最大限に使って素早く送り出す。トスの長さによってスナップの効かせ方を加減してください。
クイックはタイミングが命であるので、スパイカートの呼吸をいかに合わせるかが成功の鍵になります。従って練習時に声を出し、タイミングを作り、お互いに呼吸を合わせてよく話し合い、正しいタイミングをつかむ努力が必要です。
A、B、Cクイックの場合は、手首から瞬間的に放り出してやることが必要です。そのためには、味方のスパイカーをジャンプさせておいて、右肩の前方(右利きの場合)にボールを瞬間的にできるだけ早くほおり込んでいく感覚で、トスすることが大切です。
練習はセミクイックの遅いタイミングから入り、スパイカーのジャンプとセンターの手からボールが離れるのとほぼ同じタイミングのクイック、最後はスパイク攻撃で一番速いトッピングに進む。
スパイカーに合わそうとする引きつけの間のとり方や、トスの速さを考慮していない
アタックのタイミングを十分頭に入れていないと、アタッカーの手をめがけた正確なボールを送ることができません。
タイミングがめちゃくちゃ大事なので、練習で掴んでおく必要があります。
原因2の改善方法
クイック攻撃に使うトスはすばやさが最も重要なので、スパイカーにタイミングを合わせて低く速く上げる。
スパイカーの入りが早すぎたり遅すぎたりする場合、セッターはボールをジャンプしてたり、低い位置まで引きつけてトスしたり、タイミングを合わせる技術が必要で、間の取り方の練習が大切になる。
対人ジャンプ引きつけトス・・・1人はジャンプトス、他の人はボールを最も低い位置に引きつけて相手の頭上にトスする。
Aクイック・・・アタッカーの手をめがけてネットから焼く30~40 cm の高さに直接的なトスを送る。セッターとアタッカーの距離は1 m 前後が理想ですね。
» スパイカーとタイミングを合わせる速いトス(Aクイックトス)
Bクイック・・・スピードのある低く短いトスをあげる。セッターとアタッカーの距離は約2~3 m 前後が理想ですね。
» キレが重要。距離のあるクイックトス(Bクイックトス)
「セッターはボールをジャンプしてたり、低い位置まで引きつけてトス」この間のとり方ができるようになったら、クイックがあわせられる確立が上がります。トスを引きつけてタメを作ることにより、相手ブロッカーにクイックがあるなと思わせることができるので、ブロックを絞らせない効果的なセッターのクイックの上げ方になります。
トスの精度が悪い
クイックトスは一点に命中するくらいの精度の高いトス技術が要求されます。
ちょっとトスの位置が低くなったり、高くなったりと、ちょっとズレただけもスパイカーが打てなくなるので、トスを上げる精度もかなり重要なキーポイントです。
原因3の改善方法
優れた判断と確実なトス技術を身につける。
ボールの速さ、高さ、位置を見ながら、スパイカーのジャンプするタイミング、位置などの関係をとっさの判断で読み切り、どこにどんなトスをあげるのかを決め、「あの辺にあげれば良いだろう」というような不確かなものではなく、あの1点に命中させることができるくらいの精度の高いトス技術を身につける必要があります。
なので、セッターはスパイカーのジャンプ力、打点の高さ、そしてどんなトスが好きかなどを、事前に頭に入れておかなければならなりませんね。
Cクイック・・・バックトスで後方にいるアタッカーにトスを上げる。Aクイックのバック型で、バックAとも呼ばれる。
» セッターの真後ろに上げる速いCクイックトス(クイックのバックトス)
Dクイック・・・Bクイックのバック型。タイミングは B クイックと同じで、セッターはバックトスでネットから2~3 m 前後離れたところで平行トスを送る。クイック技術で最も難しいです。平行トスは、打つ方も上げる方も難しいので、オープントスがうまくできるようになってから次第に低くしていくといいです。
Cクイック、Dクイックはスパイカーとの距離が離れているので、Aクイックなどよりトスの精度が要求されます。トスを上げるボールのスピード、位置、高さ を事前に決めておくと、セッターは目安ができるのでトスを上げやすくなりますね。
まとめ
クイックのトスは、手首の使い方やスパイカーとのタイミング、正確なトス技術が必要とされます。
ボールが低く、早いため、セッターのトスの精度が悪いと、打つことできなくなります。
でも裏を返せば、セッターのトス精度が高ければ、攻撃の幅が広がりますし、強いチームはクイックから攻撃を組み立てると私は思います。
スパイカータイミングを合わせる技術も必要とされるので、たくさん練習をして息の合ったクイックを打ってもらえるように頑張ってください。
ネットの上、30~40cmにトスをする感じで、クイックを入った選手の右肩前方にボールを置くイメージでトスをすると良いと思います。スパイカーが打ちたいタイミングで声をだしてボールを呼び込む練習をすると、セッターも上げるタイミングを掴めるようになります。